政所茶|永源寺

滋賀県、琵琶湖の東部、鈴鹿山系の渓谷に位置する政所

政所・奥永源寺

スクリーンショット 2016-09-02 15.03.13

 

Map政所

滋賀県東近江市の北東部、三重との県境に位置する奥永源寺地域7集落のうちの一つです。
鈴鹿山脈の山々に囲まれ積雪雨量が多く、愛知川の源流が集落内を流れます。
山々に植わるスズキの木は「政所杉」と名が知られ、周囲には木地師発祥と言われる地があります。
室町期から始められた茶栽培は全国に名が知られ、政所は歴史のある地域です。
しかし、農林業の衰退や過疎高齢化により、後継者不足や集落機能の維持などが地域の課題となています。愛知(えち)川右岸にある臨済宗永源寺派の大本山。南北朝時代、近江の領主であった佐々木氏頼が、寂室元光禅師(じゃくしつげんこうぜんじ)を開山に迎え、伽藍(がらん)を建立したのが始まり。その後も永源寺には高僧が集まり、佐々木氏の庇護のもと盛時には2000人もの修行僧を擁したといいます。戦乱の時代には兵火で衰えましたが、江戸時代に一絲文守禅師(いっしぶんしゅぜんじ)が住山されると、後水尾天皇や東福門院らの帰依を得て、さらに彦根藩井伊氏の庇護によって諸堂が整えられました。

永源寺

石段の参道を登ると、右手に愛知川があり、左手の石崖には十六羅漢の石仏などが奉安されています。参道一帯にはモミジ・カエデが多く、秋の紅葉期には多くの観光客で賑わいます。総門の手前少し登った所に井伊家四代目直興公の墓碑があります。山門をくぐると、境内には庫裡(くり)・鐘楼・方丈・法堂・禅堂・開山堂などが建ち並びます。開山堂には、国指定の重要文化財である寂室和尚坐像があります。
また本尊の聖観音像は秘仏で、「世継ぎ観音」とも呼ばれ、祈願すると子供や跡継ぎに恵まれると伝えられています。

〈重文〉絹本著色地蔵十王図(11幅) 塑造寂室和尚坐像 紙本墨書寂室和尚遺誡 紙本墨書寂室元光消息 紙本墨書寂室元光墨蹟 紙本墨書永源寺開山祭文 紙本墨書永源寺開山初七日香語 紙本墨書永源寺開山十三回忌法語(2幅) 紙本墨書永源寺開山三十三回忌陞座語並ニ香語(3幅) 紙本墨書永源寺開山西来庵入祖堂香語 寂室元光墨蹟 絹本著色約翁徳検像

【永源寺含空院庭園】

境内の奥の含空院は歴代住持が住まわれ、その方丈前庭は鈴鹿の山々を借景に望み、苔と皐月に枯滝が配された築庭で、紅葉の時期には、美しさがいっそう際わ立ちます。


奥永源寺の奥ゆかしさ

奥永源寺の魅力は政所茶だけに留まりません。歴史深い奥永源寺の奥ゆかしさをご紹介します。

木地師の故郷・奥永源寺と惟喬親王

木地師とは、ろくろを使い木製の椀や盆の木地を作る職人のこと。文徳天皇の第一皇子である惟喬親王がこの地で広めたとされています。蛭谷の木地師資料館には木地師の伝統文化を伝える資料や木地製品が展示されています。また、筒井神社、大皇器地祖神社、高松御所、惟喬親王像などゆかりの地が多くあります。

名物・永源寺こんにゃく

大本山永源寺の開祖である寂室元光が、大陸からコンニャクイモを持ち帰ったのが起源とされています。永源寺周辺で細々と作られ、自家消費されていました。古くから農家では正月料理として好まれています。コンニャクイモの苗は背が高く風の影響を受けやすいため、昔から茶畑の畝の間に植えることで風除けとなり、よく育ったと言われています。

永源寺杉をつなぐ「永源寺スギファンクラブ」

戦後に植林された永源寺スギは、現在伐採時期を迎えています。伐採~利用という一連の流れの中で、「永源寺スギ」を取りまくさまざまな立場の人の顔が見える関係を築き、情報を共有・発信していこうと「永源寺スギファンクラブ」が立ち上がりました。様々な立場の人に永源寺スギとその背景にある山村の文化や暮らしの知恵・森林の状況などを、共に体験し・学び・考え・意見交換をする場所を提供していくことで、永源寺スギを身近に感じてもらいたいと活動しています。

東近江の花「ムラサキ」

初夏から夏にかけて白くて小さな花を咲かせるムラサキは、紫色をしている根っこ(紫根)が特徴的。かつては冠位十二階最高位の色「濃紫(こきむらさき)」の染料として、またドイツ語で「ボラギノール」と呼ばれるように、薬草として医薬品や「紫雲膏(しうんこう)」などの漢方方剤として活用されてきました。以前は日本各地で栽培されていましたが、現在では地球温暖化の影響や近縁種のセイヨウムラサキとの交雑による絶滅の恐れから、絶滅危惧種に指定されています。

奥永源寺地域の最奥地にある君ヶ畑の集落では、地域おこし協力隊の前川真司さんが、2014年からムラサキを栽培しようと畑の開墾から取り組みはじめました。この取り組みは、奥永源寺地域の耕作放棄地の再生と絶滅危惧種の復活を通した地域の活性化活動として、地元住民や地元の高校生とともに、希少なムラサキを栽培し続けておられます。

日本の原風景が色濃く残る自然

清流の里とも言われる奥永源寺地域には、8つのキャンプ場があり夏のシーズンには多くの観光客で賑わいます。また、初夏の新緑、秋の紅葉も美しく、トレッキングコースからの眺望も人気です。冬は雪深く、しんしんと積もる雪景色も幻想的です。

四季折々に様々な表情を見せる奥永源寺・鈴鹿の山々をぜひご堪能ください。